リドル・トレックが再び躍動したジロ・デ・イタリア第3ステージ。アルバニアの最終日は集団スプリントで決着し、マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)が大会2勝目と共に、前日に失ったマリアローザをログリッチから奪い返した。
勝者候補に挙がるワウト・ファンアールト photo:RCS Sport
大会初日を制圧したリドル・トレック photo:RCS Sport
スタート前に拳を合わすマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)とプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ) photo:CorVos
ジロ・デ・イタリア2025第3ステージ コースプロフィール photo:RCS Sportイタリアの対岸でアドリア海に面した国、アルバニアで開幕したコルサローザ(ジロの呼称)は、アルバニアでの最終日を迎えた。第3ステージの舞台は南部の港湾都市ヴロラを発着地点とする160kmで、コース後半に登場する2級山岳カファ・エ・ロガラは、登坂距離10.5kmに平均勾配7.4%(最大12%)と難易度は高い。しかしステージの分類は丘陵で、フィニッシュ地点はその頂上から下りと平坦路を進んだ38.4km先に設定されている。
前日の個人タイムトライアルでマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)を逆転し、僅か1秒差で総合首位に浮上したプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)。2023年覇者がマリアローザを着用して集団先頭に並び、現地時間の午後1時25分にスタートが切られる。すると前日勝者であるジョシュア・ターリング(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)を含む、強力な6名が逃げ集団を形成した。
第3ステージで逃げた6名
ジョシュア・ターリング(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)
ロレンツォ・ジェルマーニ(イタリア、グルパマFDJ)
マーク・ドノヴァン(イギリス、Q36.5プロサイクリング)
クリス・ハミルトン(オーストラリア、ピクニック・ポストNL)
アレッサンドロ・トネッリ(イタリア、ポルティ・ビジットマルタ)
ドリース・デボント(ベルギー、デカトロンAG2Rラモンディアール)
前日勝者であるジョシュア・ターリング(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)が逃げ、バーチャルで総合首位に立つ photo:RCS Sport
アドリア海とイオニア海という2つの海を進むジロ3日目 photo:RCS Sport
逃げを容認したメイン集団は、リドル・トレックとリーダーチームであるレッドブル・ボーラ・ハンスグローエがコントロールを担った。リドルの狙いは大会初日と同じく最終山岳でハイスピードに持ち込み、スプリンターをふるい落とした集団スプリントからピーダスンの2勝目を狙うこと。そのためジャコポ・モスカ(リドル・トレック)が同じイタリア出身であるジャンニ・モスコン(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)とローテーションを回しながら、リードを3分未満でコントロールした。
山羊がディオン・スミス(ニュージーランド、アンテルマルシェ・ワンティ)に体当たりするシーンもありながら、レース中盤に設定された4級山岳はドノヴァンが先頭で通過する。中間ポイントに加え、ボーナスタイムが与えられるレッドブルKMでは争うことなくデボントが先着。直後のカテゴリーのつかない6kmの登りでは、デボントが必死に集団に食らいつく。一方のプロトンでは、オラフ・コーイ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)やサム・ベネット(アイルランド、デカトロンAG2Rラモンディアール)といったピュアスプリンターが脱落し、人数が一気に絞られた。
そして逃げは1分13秒のリードで2級山岳カファ・エ・ロガラ(距離10.5km/平均7.4%)に突入する。山岳手前でパンクにより遅れたデボントを除く5名は、逃げ切りの可能性を信じて踏み続ける。しかしプロトンは相変わらずリドルがハイペースを刻み、ピーダスン最大のライバルであるワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)を振り落とすことに成功した。
リドル・トレックと共にプロトンのペースを作るレッドブル・ボーラ・ハンスグローエ photo:RCS Sport
2級山岳で逃げを捉えたプロトン photo:RCS Sport
逃げを視界に捉えたプロトンからは、ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)とロレンツォ・フォルトゥナート(イタリア、XDSアスタナ)がアタック。瞬く間に先行していた逃げに追いつくと、逃げを引き離し、争うことなくフォルトゥナートが2級山岳の頂上を先頭通過する。そのためフォルトゥナートは山岳賞ジャージ着用の権利を得て、プロトンから51秒差でビルバオと共に下りに入った。
ピーダスンが無事集団内で山岳を越えることができたリドルは、下りをクリアし、平坦路でもハイペースを維持する。その強力な牽引により、残り18km地点でビルバオとフォルトゥナートを吸収。集団は一つとなり、フィニッシュ地点のヴロラが待つ平坦路を突き進んだ。
レッドブルやバーレーン・ヴィクトリアスといった総合系チームも集団前方に位置取り、最終局面へ備える中、残り1km地点はリドルが先頭で通過。初日同様、総合エースであるジュリオ・チッコーネ(イタリア)が先導するトレインは、マリアビアンカ(ヤングライダー賞ジャージ)のマティアス・ヴァチェク(チェコ)に引き継がれ、残り200mからピーダスンが腰を上げた。
マッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック)にコービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック)が迫る photo:CorVos
ストロングを退け、今大会2勝目を手に入れたマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック) photo:RCS Sport
紫色のマリアチクラミーノを纏うピーダスンの背後には、山岳を耐えたコービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック)がつく。残り50mでストロングは横に並んだものの、トップスピードに乗ったピーダスンは先頭を譲ること無くフィニッシュした。
初日と同じく山岳で人数を減らし、盤石なリードアウトから今大会2勝目を手に入れたピーダスン。「距離の長い登りで僕が限界を超えないぐらいのペースをコントロールするという、今朝決めた作戦を実行した。そして最後はジュリオとマティアスによる素晴らしいリードアウトから勝利を掴んだ。互いに助け合うチームを象徴するような勝利。早く山岳でジュリオのために恩返しがしたい」と、ピーダスンは喜んだ。
前日に失ったマリアローザを奪い返したマッズ・ピーダスン(デンマーク、リドル・トレック) photo:RCS Sport
ピーダスンが10秒のボーナスタイムを獲得したため、総合でログリッチを逆転。1日で手放したマリアローザに再び袖を通し、総合リーダーとして第4ステージから始まる平坦ステージ3連戦に臨む。
