IMF、金融安定リスク大幅拡大に警鐘 貿易巡る混乱で

IMFは、貿易政策や他の地政学的要因を巡る経済的不確実性の高まりが主な要因となり、世界の金融安定リスクが秋以降、大幅に高まっていると警鐘を鳴らした。2018年、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Yuri Gripas)

[ワシントン 22日 ロイター] – 国際通貨基金(IMF)は22日、貿易政策や他の地政学的要因を巡る経済的不確実性の高まりが主な要因となり、世界の金融安定リスクが秋以降、大幅に高まっていると警鐘を鳴らした。

半期に一度の世界金融安定報告で、金融環境の引き締まりと不確実性の拡大が相まって、世界的に金融リスクが高まっていると指摘。

「こうした脆弱性はショックを増幅させ、金融環境の急激な引き締まりを引き起こし、経済の低迷を悪化させ、大規模な経済的コストをもたらす可能性がある」とした。

具体的には、今後の金融安定を圧迫する可能性のある3つの脆弱性を挙げた。1つ目は、一部の株式市場や社債市場では最近の価格下落後もバリュエーションが依然として高いままで、さらなる下落余地がある点だ。2つ目は、ヘッジファンドなどレバレッジの高い一部金融機関が不安定な市場で圧迫を受け、売りを悪化させる可能性がある点だ。3つ目としては、さらなる混乱が特に債務水準の高い国のソブリン債市場に重くのしかかる可能性があると指摘した。

関税を巡る混乱が銀行を圧迫する恐れがあるとも警告した。貿易ショックにより、損失に備えて引当金を増やす必要性に迫られ、資本市場が減速すれば非金利収入が減少する可能性があるほか、貿易金融も混乱する恐れがあるためだ。

「貿易金融は安定したキャッシュフロー、供給網、規制の枠組みに依存しているが、これら全てが突然の関税変更で混乱する可能性がある」とした。

IMFはこうしたリスクへの対応として、国際的な資本規制「バーゼル3」の導入を含め、銀行の十分な資本と流動性を確保するよう世界各国の規制当局に求め、新たな資本規制の「完全かつ適時で一貫した導入」を呼びかけた。

銀行に対する「独立した集中的な」監督も求め、銀行とノンバンクの相互作用に重点を置く必要があると強調した。

「管轄区域間の相互関連性の高まりは、特定の管轄区域から生じるストレスが世界的な影響を及ぼす可能性があることを意味し、他の地域も備えが必要になる」とし、「これは金融リスクを迅速かつ効果的に軽減するために、多国間の監視と世界的な金融安全網の両方が果たす重要な役割を浮き彫りにしている」と指摘した。

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Covers financial regulation and policy out of the Reuters Washington bureau, with a specific focus on banking regulators. Has covered economic and financial policy in the U.S. capital for 15 years. Previous experience includes roles at The Hill newspaper and The Wall Street Journal. Received a Master’s degree in journalism from Georgetown University, and an undergraduate degree from the University of Notre Dame.