住友ファーマ株が17日の日本株市場で一躍注目を集めた。パーキンソン病の治療に用いられるiPS細胞(幹細胞)の安全性と有効性を示唆する研究結果が英科学誌ネイチャーに掲載されたことを受け、急反発した。

  住友ファマ株は寄り付きから買い注文が殺到し、気配値を切り上げる展開。結局、日中には売買が成立せず、取引終了時に制限値幅いっぱいとなる前日比100円(20%)高の608円で41万7900株が配分された。なお約160万株の買い注文を残した。

  京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の高橋淳所長らが行った臨床試験では、健康な第三者の幹細胞を基に作られた神経細胞を移植されたパーキンソン病患者において、入院や死亡を伴うような重大な副作用が報告されなかった。神経細胞は住友ファマが作成した。

  この結果は、2006年に山中伸弥教授が発見し、体細胞を多能性幹細胞に再プログラムする技術が実際の患者の治療に応用される可能性を示すものだ。この功績で山中教授は12年にノーベル生理学・医学賞を受賞している。

住友ファマ株の過去半年間の推移

 

 

  神経細胞を作成した住友ファマは24年3月、米国において治療の安全性を評価する早期臨床試験の実施を準備中だと発表した。これは同治療法の米国における承認に向けた第1歩と位置付けられる。

  パーキンソン病は効果的な治療法が存在しない神経疾患で、現在は主に症状緩和のための薬物療法が用いられている。世界保健機関(WHO)によると、過去25年間でパーキンソン病は2倍となり、19年時点で850万人以上が罹患(りかん)したと推定されている。

(2段落に最新の株価情報を加え、記事を更新)