米国では医薬品の種類によってメディケア(高齢者・障害者向け医療保険制度)の薬価交渉の対象になるまでの期間が異なり、トランプ米大統領はこの政策の変更を議会に望んでいる。バイデン前政権時代に成立した法律を巡る製薬業界の不満の一つに対処する動きだ。
現行制度では、錠剤など低分子医薬品はより複雑なバイオ医薬品より早く薬価交渉の対象になる。トランプ大統領は15日に署名した大統領令で、こうした対応の差を解消するため連邦議会と協力するよう厚生長官に指示した。
大統領令の発表前に匿名で語ったホワイトハウス高官によると、政策変更の狙いは、共和党の反対を押し切ってバイデン前政権が推進した政策を改善することにある。メディケアの支出増加にはつながらないとしている。
こうした政策見直しは製薬業界のロビイストが長年要望してきたが、実現には議会での法改正が必要。インフレ抑制法(IRA)の下で低分子医薬品はメディケアの価格交渉対象になるまでの期間が販売開始から7年だが、バイオ医薬品は11年。企業側は、この違いで医薬品開発のインセンティブに影響が出ると主張している。
一方、今回の大統領令は処方薬価格の押し下げが目的と政権側は指摘するが、具体性に乏しく、他の医療政策目標の寄せ集めのような内容だった。
原題:Trump Signs Order Aimed at Lowering Prescription Drug Prices(抜粋)
