米経済、実態は「ぜい弱」 前政権の過剰支出が原因=財務長官

ベッセント米財務長官は25日、米経済について、金利の変動、根強いインフレ、政府部門に集中する雇用増などを挙げ、実態は経済指標で示されているよりもぜい弱な可能性があると述べた。写真は3日、ホワイトハウスで撮影(2025年 ロイター/Elizabeth Frantz)

[ワシントン 25日 ロイター] – ベッセント米財務長官は25日、米経済について、実態は経済指標で示されているよりも「ぜい弱」な可能性があるとし、政府支出と規制の削減を通じ成長の「再民営化」を目指すと表明した。

ベッセント長官は在ワシントンのオーストラリア大使館で行った初の主要経済政策演説で、成長率がプラスの伸びで失業率が低水準で推移しているにもかかわらず、金利の変動や根強いインフレ、政府部門に集中する雇用増などが米経済への下押し圧力になっているという認識を示した。

長官は「バイデン前政権による過剰な政府支出と過度な規制に依存していたため、指標は一見すると妥当だったが、根本的には脆弱な経済状態が残された」と述べ、前政権の政策を批判。トランプ政権は対応を大幅に転換させると語った。

過去12か月間の雇用の伸びの95%は医療や教育などの公共部門や政府関連部門に集中し、これらは民間部門の雇用に比べ賃金の伸びは緩慢で、生産性も低いと指摘。一方、製造、金属、鉱業、情報技術の雇用はいずれも同時期に減少または横ばいだったと述べた。

長官は「民間部門はリセッション(景気後退)に陥っている」とし、「われわれの目標は経済を再び民営化することだ」と言明。トランプ政権は規制の削減、減税の延長、関税政策による米経済の再均衡化などを通じて、民間部門による雇用創出への寄与拡大に取り組んでいると説明した。

トランプ大統領が進める関税措置は「再民営化」計画の主要な部分とも強調。関税は「米国の産業能力を高め、雇用を創出・保護し、国家安全保障を向上させる」ほか、「政府の重要な収入源となり、米国の世帯や企業に利益をもたらす投資に資金を提供する一助となる可能性がある」と述べた。

<中国とオーストラリア>

ベッセント長官はまた、関税が中国など他国の経済不均衡を是正・管理し、過剰な生産・供給を抑止する手段になり得るとも指摘した。

その上で、中国が今後も経済不均衡を拡大し続ける公算が大きいと指摘。成長のけん引役として製造業と輸出に依存し続けることはできず、国内消費を拡大する必要があるとし、「われわれは中国に対し、デフレを世界に輸出してはならないと伝える必要がある」と語った。

米国とオーストラリアの貿易関係については「これまでのところ良好」とした上で、トランプ大統領は重要鉱物の調達の多様化を望んでおり、オーストラリアが役割を果たせる可能性があると述べた。

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