主要7カ国(G7)は、ロシア産原油に対する価格上限の修正を検討している。ウクライナ侵攻を続けるロシアの石油収入を減らすことで、停戦交渉の進展を後押したい考え。
ブルームバーグ・ニュースが入手した草案によると、G7は現在バレル当たり60ドルに設定されている価格上限について、再設定を財務相に指示する可能性がある。ロシアの戦争コストを引き上げ、「意味ある和平交渉を促す」狙いがある。
Russian Urals Crude Prices
Urals crude is back at the $60 a barrel price cap set in December 2022
Source: Argus Media
すべてのG7諸国がどの程度、この文書を支持しているのか、現段階では分かっていない。文書に関する事務方の協議が進む中で、文言に修正が加えられる公算が大きい。
米国が先週、ウクライナ停戦を巡り、ロシアとの直接交渉の用意があると表明したことで、欧州諸国には衝撃が走った。停戦協議で取り残されることを懸念した欧州連合(EU)首脳の一部は17日、パリで緊急会合を開催し、対応を協議した。
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上限への批判
2022年12月に最初に導入された価格上限を巡っては、ロシアが簡単に回避できるなどとして批判が出ていた。
だが、バイデン前米政権が退任間近の1月10日、タンカー161隻、ロシアの石油大手2社、複数の取引業者やロシアのタンカーと取引のある主要保険会社を制裁対象に指定。緩い制裁との認識は変化した。ベッセント財務長官は、ウクライナ停戦を加速させるのに寄与すると判断すれば、対ロシア制裁を強化することもあり得るとの認識を示している。
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G7は、ロシアによるウクライナ侵攻から3年となる2月24日に声明を発表する予定だ。
草案では、ウクライナのゼレンスキー大統領が「戦争終結に向けた協議に応じる用意がある」ことをG7は「認識する」と記述。一方で、ロシアのプーチン大統領が提示している和平条件は「これまでのところ、ウクライナの完全降伏に等しい」とけん制している。草案によると、G7は2月24日にゼレンスキー大統領と会談する見通し。
価格上限の修正が実際にどのような形になるのかを正確に予測することは難しい。価格の引き下げが考えられるほか、現行措置の履行徹底も選択肢となり得る。
原題:G-7 Allies Weigh Tightening Russian Oil Price Cap to Hurt Moscow(抜粋)
