2025年1月、静岡県掛川市の介護老人保健施設で音楽イベントが開かれました。介護業界のネガティブなイメージを変えたい。現場で働く男性の挑戦です。
七色に光る会場にサイリウムを振る高齢者たち。介護老人保健施設で開かれた音楽イベントです。
会場を盛り上げるのはDJの大滝亮輔さん(37)です。イベントを企画した大滝さんには別の顔があります。
<大滝亮輔さん>
「はい、手をこするよー」
大滝さんの普段の仕事は介護福祉士。20歳で介護の仕事に就き、現在は静岡市清水区の介護老人保健施設で働いています。
<利用者(90代)>
「いろいろ優しくしてくれますよ」
<利用者(90代)>
「人気者、すごく」
大滝さんは普段、高齢者の食事や着替え、移動などを介助しています。高齢化社会で需要が高まる介護業界ですが、世間のイメージは決して良いものではありません。
介護職の経験がない人に介護業界で働くことをためらう理由を聞くと、「体力的にきつい」「精神的にきつい」といったイメージがあると多くの人が答えました。
<大滝亮輔さん>
「自分がせっかくいる業界なので、もっとこう生き生きとしたかっこいい業界になっていけたらなと思います」
DJ歴17年の大滝さんはこれまで全国のイベントやクラブで観客を盛り上げてきました。
<大滝亮輔さん>
「高齢者施設の場合は、曲のつなぎよりは大きくパフォーマンスしたりとか、マイクを使って声かけて投げかけるとか分かりやすく体を動かせるように意識はしていますね」
介護に音楽を融合させることで業界のイメージを変えたい。そこで2024年3月から始めたのが高齢者施設での音楽イベント「ロマンディスコ」です。
今回の会場は掛川市の病院内にある施設です。
<大滝亮輔さん>
「失礼します、宮地先生、ご無沙汰してます。よろしくお願いします」
<掛川東病院 宮地紘樹院長>
「よろしくお願いします」
大滝さんは事前に施設の写真を見ながら環境を確認し、高齢者が楽しめるディスコを考えます。
迎えたイベント当日。活動を重ねる大滝さんには強い味方がいます。ヒップホップグループ「RIPSLYME」の元メンバーSUさんです。ロマンディスコを初回から一緒にやってきました。
<元RIPSLYME SUさん>
「最高っすね、あの子(大滝さん)の企画力は」
5回目を迎えた今回、元女優で介護士の岩佐真悠子さんや介護タレントの西田美歩さんが新たに参加しました。
<大滝亮輔さん>
「皆さんこんにちは!元気、元気良すぎて困る!注意点ね、みんな大声で歌ったりするんですけど、入れ歯飛ばないように気を付けて」
トップバッターはSUさん。高齢者をディスコに巻き込もうと積極的に歌を披露する機会を作ります。
盛り上がってきた会場を引き継ぐのが大滝さんです。
<大滝亮輔さん>
「この曲ちょっと踊れると、お孫さん、曾孫さんか、おじいちゃん泊まりたい、おばあちゃん家泊まりたい!」
若者の間で流行しているダンスを分かりやすく伝え、エクササイズとして取り入れます。
参加した人たちは曲に合わせて合いの手を打ったり、サイリウムの振り方を変えたりしてノリノリです。
<参加者(88)>
「若返りました、楽しかった。」
Q. どのくらい若返った?
「20」
<参加者(81)>
「とても素晴らしかったですよ」
<大滝亮輔さん>
「福祉業界、介護福祉士さんが1人1人個性を発信していって、なんかイケてる業界というか、もっと選択肢を増やせるような環境づくりというか、職場で話し合ったりとかして、良い環境づくりができたらもっとかっこいい業界になっていくんじゃないかな」
