全日本フィギュアスケート選手権は、22日の男子フリーでついに決着。
激闘の舞台裏、そして一夜明け、選手たちがあらためて語った思いに迫る。
23日に行われたメダリスト・オン・アイスのリハーサルの様子。
羽生結弦選手(25)と高橋大輔選手(33)、2人のオリンピックメダリストが、笑顔で手を取り合いスケーティング。
優勝した宇野昌磨選手(22)と紀平梨花選手(17)もリラックスした笑顔。
あらためて激闘を振り返った。
紀平選手「眠る時に試合のことを考えたりで」、「疲れの中でも自分の体を持っていくことができたので、それが今までにない経験で、大きな収穫だったと思う」
宇野選手「自分にも『おかえり』と言いたい」、「(自分で)つかみ取れたものでもあると思うし、支えてくれた皆さんのおかげでもあると思っています」
22日の男子フリー。
復活の演技を見せたのは、宇野昌磨選手。
今シーズン、苦しんでいた姿がうそのような滑りだった。
「何よりスケートを楽しむことができた」と、今シーズンの自己ベストの得点を出し、この時点でトップに立った。
その直後、最終滑走は、4年ぶりの王座奪還を目指す羽生選手。
ステージ裏では、演技を終えたばかりの宇野選手も、モニターでその演技を見つめる。
最初のジャンプは、4回転ループ。
5週間で3試合というハードなスケジュールの中、最後までジャンプに精彩を欠き2位。
その口元は、「終わったー」と言ったように見えた。
羽生選手「終わっちゃったなという感じです。まあでも、まあもう、なんもないですよ、ホントに。本当に弱かったなと思うだけです」
自らの弱さを認め、言葉を絞り出した羽生選手。
表彰式の前には…。
羽生選手「おめでとう」
宇野選手「お疲れさまです」
羽生選手「昌磨が復活してくれてうれしいよ」
宇野選手「ゆづ君が、すごく疲れてるから」
宇野選手は、羽生選手との直接対決を制し、表彰台の真ん中に立った。
羽生選手「駄目だよ、燃え尽きちゃ駄目だよ、ここで。燃え尽き症候群になっちゃだめだよ」、「まだいるよ、いっぱい。俺の上にはいっぱいいるよ、まだ」
そして、今大会が最後のシングルとなった高橋大輔選手は、力を振り絞り、渾身(こんしん)のステップ。
キスアンドクライでは、観客から「大ちゃん」コールが。
20年近く苦楽をともにした長光歌子コーチに、感謝を込めて花束をプレゼント。
1つの時代が終わった。
高橋選手「応援してくれた方にも、『これで最後です』って気持ちで滑ることができましたし。その全日本が一番、あまり良くなかったですけど、いろんな意味で」、「まあでも、それも僕らしい終わり方だなって」
一方、女子は紀平梨花選手が、ほぼ完璧な演技を見せ、初優勝。
そして、今回は回避した4回転サルコウについては…。
紀平選手「(4回転サルコウは)練習でもすごく成長できているので、世界選手権でピークを持っていって、完璧な演技を目指したいと思います」
次は、世界との戦い。
男女とも四大陸選手権世界選手権の代表が決定し、挑戦の日々は続く。
(2019/12/23)
FNNプライムオンライン
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