2022年の北京五輪代表をかけた前哨戦・フィギュアスケートのグランプリシリーズがまもなく開幕。熾烈な代表争いに挑む選手の中から、山田満知子コーチが今イチオシの女子スケーターを解説します。ポイントは、「真面目」と「元気印」です。

 フィギュアスケート王国愛知で浅田真央さんや宇野昌磨選手を指導した名伯楽・山田満知子コーチ。愛弟子の1人で2014年ソチ五輪代表の村上佳菜子さん。

 北京五輪の代表をかけた前哨戦ともいえるグランプリシリーズの開幕を前に、日本のフィギュア界を引っ張ってきた2人の特別対談が実現しました。

 収録は10月、名古屋市内。

 女子は、4回転ジャンプを鮮やかに決めるロシア勢との戦いに、日本の代表枠は3つと国内外で熾烈なシーズンになります。

 愛知発で世界の頂点を狙う期待のスケーターについて、山田コーチに聞きました。

山田満知子コーチ「自慢」の教え子・松生理乃(17) 「カナと違って真面目なの!」

 今シーズン、シニアデビューする中京大中京高校の松生理乃選手(17)。

 浅田真央さんに憧れる17歳は、幼い頃から山田満知子コーチの指導を受け成長、昨シーズンは全日本ジュニアで日本一に輝きました。

 現在は、山田コーチの元でトリプルアクセルの習得にも取り組んでいます。

 五輪の代表入りも期待される松生選手を山田コーチは「自慢ですよ」と称賛、その様子に村上さんは小声で「あ~羨ましい…私も言われたかった…」と少し遠い目をしていました。

 村上さんにとってはクラブの後輩にあたる松生選手を、村上さんは「フィギュアスケートのジャンプじゃない面、表現力などが昨シーズンは評価された」と話します。

 「表現面がアピールできれば今シーズンの強みになるのでは?」という村上さんの問いに対して、山田コーチは「あなたとは違うの」と話し始めました。

 「カナは表現が自然に出来るタイプじゃないですか。でも理乃は、真面目で言われたことを『はい、手はゆっくりですか?もうちょっと長くですか?』っていう、自分の感情や心の中で動きが出ることが難しくて、やっと今少し得点をもらえるようになったかな」(山田満知子コーチ)

 山田コーチが1番強調した松生選手の持ち味、それは「真面目」な性格です。

 「カナと違って真面目なの!頑張って練習します。こつこつこつこつ、これは何より。才能があってもやらなければそこで終わってしまうでしょう?そのいい見本が理乃ちゃんかな。今年グランプリシリーズに出してもらって、五輪がどうかなっていうところなんだけど、出来れば頑張ってもらえるといいね。彼女の良いところはカナと違って真面目!」(山田満知子コーチ)

 「カナと違って」を繰り返された村上さんは、思わず苦笑いです。

「元気印」の横井ゆは菜(21) 新プログラムに山田コーチ「すべてがゆは菜」

 一方、中京大学に通う横井ゆは菜選手(21)、今シーズンでグランプリシリーズ参戦3年目です。

 村上さんから横井選手の印象を聞かれた山田コーチは、「日本のスケーターの中で分類すると、坂本花織派で元気印」と表現しました。

 名コーチから見ても元気いっぱいな横井選手が五輪シーズンに選んだフリーの曲は「QUEENメドレー」。
 
 横井選手が生まれる前の伝説的ロックバンドを選んだことについて、山田コーチは次のように話します。
   
 「『ゆは菜』って感じ。ほかの人はあの曲選ばないでしょうし、またこの五輪の時期にすごいなぁと思うし、ゆは菜だから選んでやっているんだろうなって思うし、『すべてがゆは菜』ですよ」(山田満知子コーチ)

 これには、村上さんも「確かに」と何度も深く頷いていました。

 松生理乃選手はGPシリーズ第4戦日本大会と第6戦ロシア大会に、横井ゆは菜選手は10月22日から始まる第1戦アメリカ大会に出場します。

(10月20・21日 9:55~放送 メ~テレ『マチコとカナコのおしゃべりフィギュア』より)