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上白石萌音さんと森七菜さんがブレイク中。新海誠作品のヒロイン女優がブランド化してきています。森さんはつい先日の1月15日、事務所の電撃移籍が報じられました。所属事務所のホームページから突然プロフィールページが消え、SNSも削除されるという不可解さに、ネットは騒然としました。

 さて、興行収入・約250億円のアニメ映画『君の名は。』(2016年)で、ヒロイン声優を務めた上白石萌音さん。興行収入・約140億円のアニメ映画『天気の子』(2019年)で同じくヒロイン声優を務めた森七菜さん。

メガヒットした新海誠作品でヒロインに起用されたふたりが揃って売れたのは、もちろん本人たちの高い演技力や溢れる魅力、また新海誠作品ヒロインというバリュー感があったからでしょう。ですがそれ以外にも“意外な共通点”があると、恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラーである筆者は考えています。

ふたりの第一ブレイクは新海誠作品のヒロイン起用
 上白石萌音さんは『君の名は。』当時、実写映画『舞妓はレディ』(2014年)主演で知る人ぞ知る若手女優でしたが、お茶の間認知度はまだ低い状態でした。しかし『君の名は。』が社会現象化するほどのヒットとなり、その後はドラマや映画に引っ張りだこ。

 特に、昨年1月クールに放送されたラブコメディドラマ『恋はつづくよどこまでも』(TBS系)で主演し、最終回は自己最高視聴率15.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を叩き出してヒット作に。上白石萌音さん演じる新人看護師が、佐藤健さん演じる超ドSのエリート医師に純粋で真っ直ぐな恋心をぶつける胸キュンストーリーは、SNSでたびたびバズりました。

今年はさっそく、今月12日にスタートしたドラマ『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(TBS系)に主演。ファッション雑誌編集部を舞台に上白石萌音さん演じる主人公が、鬼編集長(菜々緒さん)に雑用係として鍛えられつつ、子犬系男子カメラマン(Kis-My-Ft2玉森裕太さん)らとの恋模様が描かれるという作品です。

 また、2021年後期の朝ドラ『カムカムエヴリバディ』(NHK)に深津絵里さん、川栄李奈さんと並んで3人のヒロインのうちのひとりに選ばれており、今年はさらなる飛躍が期待されています。

第二ブレイクは『逃げ恥』ラインの恋愛ドラマ主演
 上白石萌音さんと森七菜さんが新海誠作品で演じたふたりのヒロインには、“明るい”・“純粋”・“健気”・“芯が強い”といった共通点がありました。そしてそのヒロインたちの印象は、そのまま上白石萌音さんと森七菜さんのパブリックイメージにもなっているように感じます。

 憶測ではありますが、新海誠監督は声の質や演技力だけでなく、女優本人の人間性や存在感なども選考基準としており、結果的に劇中のヒロインの性格に近いパーソナリティを持ったおふたりが選ばれたのではないでしょうか。

さて、おふたりの第一ブレイクが新海誠作品だとするならば、第二ブレイクとも言える主演ドラマにも共通点があります。それは先述した『恋はつづくよどこまでも』と『この恋あたためますか』。

 この両ドラマは主人公の女性がハードルの高い年上イケメンに恋をするという、恋愛ものの王道フォーマットを踏襲しているだけでなく、どちらもTBSが「火曜ドラマ」と銘打っている火曜22時枠での放送だったんです。「火曜ドラマ」は、90年代に大ヒットドラマを連発していたフジテレビ「月9」(月曜21時枠)のお株を奪って、恋愛ドラマでヒット作を量産しています。

そういった背景もあり、あまり深刻にならずにポップで胸キュン必至のラブコメディが隆盛なのだと考察できます。

 そして、そんな時代が求めているラブコメディの主人公キャスティングに、新海誠作品で、明るい・純粋・健気・芯が強いというパブリックイメージを獲得した上白石萌音さんと森七菜さんは、最適解だったのではないでしょうか。

 新海誠作品のヒロイン像が、今の恋愛ドラマトレンドの需要にベストマッチした――上白石萌音さんと森七菜さんが売れたのは、このようにパズルのピースがハマったからだと思うのです。