日本を代表する映画監督・黑沢清が、主演に蒼井優を迎え挑んだ『スパイの妻』。

太平洋戦争前夜。時代の嵐が、二人の運命を変えていくー。
1940年。満州で偶然、恐ろしい国家機密を知ってしまった優作は、正義のため、事の顛末を世に知らしめようとする。聡子は反逆者と疑われる夫を信じ、スパイの妻と罵られようとも、その身が破滅することも厭わず、ただ愛する夫とともに生きることを心に誓う。太平洋戦争開戦間近の日本で、夫婦の運命は時代の荒波に飲まれていく…。

予告編では、1940年太平洋戦争前夜の、物々しくも、活気ある神戸が映し出される。

「悪魔のような所業を僕は見た」と声を振り絞る優作と、スパイだと疑われる夫・優作へ、「つかまることも、死ぬことも怖くはありません。私が怖いのはあなたと離れることです!」と思いの丈をぶつける聡子。どのカットをとっても二人の瞳からは生命力が溢れ、意志の強さや絆の深さを一層印象付ける。優作が知ってしまった国家機密とは…?映画ファンのみならず、観るもの全ての心を揺るがす傑作の鱗片をのぞかせる予告編が完成した。

日本を代表する映画監督であり、世界中にファンを持つ黒澤清の最新作『スパイの妻』。6月6日にNHKBS8Kで放送したドラマ(6月末まで、リピート放送中)をスクリーンサイズや色調を新たにした「劇場版」の公開が決定した。脚本を手掛けたのは、黒澤自身と濱口⻯介(『寝ても覚めても』)、野原位(『ハッピーアワー』脚本)の3人。また、「ペトロールズ」のリードボーカル&ギターであり、浮雲名義で「東京事変」のギタリストとしても活動している⻑岡亮介が、映画音楽を初めて手掛け、映画世界の奥行きをさらに広げている。

主演は数々の受賞歴を誇る、実力派女優・蒼井優。儚げでいて芯の強さを持ち、夫を愛し抜く聡子を圧倒的な存在感で演じている。『ロマンスドール』に続いて蒼井と夫婦を演じるのは高橋一生。正義の遂行のために手段を選ばぬ純粋な優作を魅力的に体現した。

夫婦を取り巻く役者も日本映画界を代表する俳優たちが集結している。理不尽な歴史の前に、ささやかな幸せが揺らいでいく…。混乱を経た今の日本が刮目して観るべき傑作が誕生した。
2020年10月16日公開

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