新型コロナウイルスのワクチン接種が進む中、ドラッグストアで解熱剤が品薄になっています。

 北海道札幌市東区のドラッグストアでは、ワクチン接種による発熱などの副反応に備えようと解熱剤を買い求める人が増えているといいます。

 品切れになっている商品もありました。

 札幌市でワクチンを1回接種した高齢者は、6月10日時点で11万2000人あまり。65歳以上の20.9%で、2回目の接種を終えた高齢者は0.3%です。

 厚労省によりますと、副反応は発熱や筋肉痛、悪寒や腕の腫れなどで、臨床試験では10~50%の確率で症状が現れています。

 札幌市豊平区の「とよひら公園内科クリニック」では、院長やスタッフら12人全員が2回のワクチン接種を終えました。

 藤本 晶子 院長は「2回目の接種の際、1回目に熱が出た人は3日ほど調子が悪かった。あとは1日ぐらいで良くなった人や微熱が多かった。38℃以上出たスタッフは3名」と当時の状況を説明します。

 2020年はマスクや消毒液を買い求める人で生産が追いつかなくなりましたが、ワクチン接種による発熱に備えようという人で解熱剤が品薄になっています。

 中には販売制限されている薬も…。

 サツドラホールディングスの広報担当者は「『アセトアミノフェン』が入った商品の入荷が不安定となっている。取り置きは一時停止していて、購入も1人ひとつという個数制限をしている状況」と説明します。

 アメリカのCDC(疾病予防管理センター)が、ワクチン接種による発熱を抑えるのに推奨しているのが「アセトアミノフェン」という解熱薬です。

 藤本 晶子 院長は「コロナのワクチンの副反応には、アセトアミノフェンが安全と言われている。カロナールという薬」

 ただ、効果のある成分は他にもあり、藤本 晶子 院長は「ロキソニンも市販で買える。熱が下がらない場合はイブプロフェン」と候補を挙げます。

 「ロキソプロフェンナトリウム」や「イブプロフェン」などの成分が入った市販薬も効果があるとされています。

 かかりつけ医などに相談し、薬を処方してもらうことも大切です。

 藤本 晶子 院長は「普段、かかっている医師に処方してもらえば、医療用の薬はそこまで品薄や欠品することはない」

 厚労省では、ワクチン接種後の発熱について、2日以上熱が続く場合や症状が重い場合は医療機関などに相談するように呼び掛けています。

 北海道科学大学の秋原 志穂 教授は「(ワクチンの副反応という)免疫反応での熱はあまり心配する必要はない。通常は2日目がピークでその後下がって来ると思う。つらい時には医師に相談してほしい」と話しています。