羽生結弦がタラソワ氏から贈られたプログラムで披露した成長
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数々の快挙を達成し、男子フィギュアスケートを牽引する羽生結弦。常に挑戦を続ける桁外れの精神力と自らの理想を果敢に追い求める情熱を持つアスリートの進化の歩みを振り返る。世界の好敵手との歴史に残る戦いや王者が切り拓いていく未来を、長年密着取材を続けるベテランジャーナリストが探っていく。

2016ー17シーズン、羽生結弦は新たなエキシビションプログラムを手にした。16年3月の世界選手権後、会場のあるアメリカ・ボストンで、フィギュアスケート界の重鎮タチアナ・タラソワ氏(ロシア)から「ぜひ滑ってほしい曲がある」と声を掛けられ、イタリア人歌手のイル・ヴォーロが歌う『ノッテ・ステラータ(ザ・スワン)』をプレゼントされたのだ。この曲は、サン・サーンスの『白鳥』に、イタリア語の歌詞がついたラブソングだ。羽生はこのプログラムについてこう話していた。

「それまでもチャイコフスキーの『白鳥の湖』をアレンジした『ホワイト・レジェンド』を演じていました。(「白鳥」でつながる)また違った印象の曲ですが、ある意味、共通のテーマがある。
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