風刺画が売り物のフランスの週刊新聞「シャルリー・エブド」は2日、5年前にイスラム過激派による本社襲撃事件が起きるきっかけとなった預言者ムハンマドの風刺画を1面に掲載した。同日から事件の裁判が始まったのを機に「(テロに)屈することはない」と主張した。イスラム教徒側の反発も招いており、「表現の自由」がどこまで許されるのか、重い問いを改めて投げかけている。

再掲したのは、ムハンマドがイスラム過激派を念頭に「アホに好かれるのも大変だ」と嘆く姿を描いた作品で、襲撃事件で殺害された風刺漫画家が手がけたものだ。さらに、ムハンマドが爆弾の形をした布を頭に巻いているものや、目だけ出した2人の女性を従え刃物を持っている様子を描いたものなども並べた。
 1面の見出しには「すべてはこれ(風刺画)だけのためだった」と掲げ、問題のない掲載でなぜ襲撃を受けなければならなかったのか、と抗議のメッセージを込めた。1日に電子版で掲載され、2日に店頭で販売された。