アコースティック・ギターにおけるタッピングとかスラッピングといった新しい奏法は、1981年にアルバム・デビューしたマイケル・ヘッジスのトレード・マークとも言える斬新なギター・スタイルです。もちろん、それまでにもよく似たアプローチをするギタリストが少しは居たようですが、個性的な楽曲と相俟って、これ程完成されたギター・スタイルを編み出したのはこのマイケル・ヘッジスだけでした。
その後、彼のフォロワーが後を断ちません。フィル・ケギイ、プレストン・リード、ビリー・マクロウリン、といったギタリスト達がそうです。そして、この僕もマイケル・ヘッジスのギター・スタイルには少なからず影響を受けていて、ある時期など彼の奏法を分析する事に没頭していました。今思えば、それらの作業がそれ以後の自分の音楽の方向性をも決めてくれたのです。
1970年代後半の僕は、今後どういったギター・ミュージックを追及するのか非常に迷っていました。それまでは、ブリティッシュ・ギター・スタイル、ラグタイム・ギター・スタイル、コンテンポラリー・オープン・チューニングといった、どちらかと言えばオーソドックスなギター・スタイルを勉強してきたのですが、もうそれらのギター・スタイルでは満足できなくなっていたのです。
僕の場合、ライブ・パフォーマンス中心の音楽活動が好きだったので、よりスケールの大きなギター・ミュージックを作曲し、そして演奏したかったのです。丁度そんな頃にマイケル・ヘッジスがデビューし、“ブレックファースト・イン・ザ・フィールド”というファースト・アルバムをリリースしたのでした。
この・Mah-Jong Piece”という楽曲は、奏法的にはマイケル・ヘッジスそのものですが、曲想において独自のものが出せたと思っています。因みに、タイトルの「Mah-Jong Piece”とは・”麻雀牌”のことです。
この曲の演奏上のポイントは、楽曲全体のビート感がとても重要になります。ストローク気味にリズムを刻んだり、ベース・ノートだけでリズムを刻んだり、サウンド・ヴァリエーションが複雑に変化したリズム・パターンなので注意して下さい。イントロとエンディングでのハーモニックスを含んだタッピング・プレイは、”太陽風”のイントロと同じアプローチです。CDでの演奏は全弦が半音低くチューニングされていますので注意して下さい。
1993 by Isato Nakagawa

多くの方に聴いて頂ければと思います。
また動画を作って下さり感謝しております。

中川朋美 𝓣𝓱𝓪𝓷𝓴𝓼🎸💕