1974年10月25日発売の、ソロとしてはデビューシングル。

作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三
編曲:木田高介

「イルカ」というアーティスト名は、彼女が女子美術大のフォークソング同好会に入ったばかりの頃、サークル活動の帰り道、皆が持っているギターケースが揺れているのを見て「イルカの大群が泳いでいるみたいに見えない?」の一言を仲間に面白がられ、それがニックネームになったそうである。
イルカというアーティストは基本的にはシンガーソングライターだが、伊勢正三の楽曲とは非常に相性が良かったようで、のちにあの名曲を大ヒットさせることになる。

今回使用した音源は、デビューシングルからではなく
2017年1月に東京国際フォーラムホールAにて開催された「イルカ45周年 ニッポン放送イルカのミュージックハーモニー25周年記念 青春のなごり雪コンサート」のライブ音源だ。
共演者がこれまたすごい。
親交の深い、伊勢正三、太田裕美、小椋佳、小田和正、松山千春、南こうせつが出演。
なんて贅沢なんだろう。
伊勢は『あの頃のぼくは』と『雨の物語』の2曲を二人でデュエットした。(『なごり雪』は南との3人で披露)
2番で伊勢がハモってくる時は鳥肌が立つ。

『あの頃のぼくは』が発売された当時はイルカはまだ23歳。
このコンサート時は67歳。伊勢はひとつ年下なので66歳。
見た目も、歌声も、髪型まであの頃のままなんて驚愕である。
この音源の映像はYoutbeにアップされているで是非みてほしい。
そして今年71歳で「イルカ50周年 イルカのミュージックハーモニー30周年記念 青春のなごり雪コンサート」を開いた。
当然伊勢も出演している。

 君はもうこの古いアルバムの中の
 想い出のひととして
 小さな灰皿の中で燃えてゆくのです
 君の長い髪はとても
 素敵だったと言いたかった

別れた彼女の写真を、未練を断ち切るために灰皿の中で焼いているのだろうか。
そして燃えていく写真の彼女の長い髪にまた未練が…

『あの頃のぼくは』は『なごり雪』と同時期に作られている。
だから歌詞の内容も、僕がもう少しおとなだったら、女の子の気持ちがキチンと理解できていたら、こんな悲しい別れにはならなかったのに…みたいな歌だ。
ウジウジした男の心情なのに、こんな綺麗な言葉で、こんな爽やかなメロディでかけるなんて本当に素晴らしいと思う。

#あの頃のぼくは
#有村架純